自分を大切にする心理学

人の気持ちを察することが上手な人が知っておいた方が良い話〜バウンダリー(境界線)の心理〜

こんばんは、野村香英です。

実際のカウンセリングでもよく、
人と人の間にあるバウンダリー(境界線)の話をすることがあります。

相手との境界線を勝手に飛び越えてしまったり
または他人が自分の境界線を侵入してくることを
知らず知らずの内に許してしまっていると、

対人関係でトラブルをよく起こすようになったり、
人との距離感の問題で苦しんだり、
なぜか恋愛がうまくいかない・仕事がいつもしんどいなど、生き辛さを感じることも。

今日は、
「人の気持ちを察することが得意」な人に贈るバウンダリーの記事です。

人の気持ちを察するのが上手な人の才能について

例えばですね、
あなたの上司の様子がいつもと違うとします。

落ち着かない態度、顔にもイライラした感じが現れてる、ため息が多い。

そんな時、人の気持ちを察するのが上手な人は、
「上司の機嫌が悪いな」
ってたぶん瞬時にわかると思います。

同じ空間にいるだけで、その人が今「どんな気持ちなのか」を察する。

これって、ある意味才能なんですよね。
同じ空気を吸っているだけでパッと気づいてしまう、いわゆるセンサーみたいなのを持っていて、それは色んな場面で活躍します。

人の気持ちを察することが上手だからこそ、
誰かのかゆいところにも手が届くので、仕事で重宝されたり評価されたり。

気遣いがとてつもなく素晴らしくて、
多くの人から愛される才能がある人もいます。

またこの手のタイプの人というのは、
「繊細な人」が多いことも事実です。

繊細であるということは、才能です。
よく「繊細だから傷つきやすくて生き辛い」と例えられることもありますが、どんなことにもマイナス面とプラス面はあります。

繊細だからこそ、人に優しくできたり、誰かを助けてあげることができたり、誰かを勇気付ける言葉をかけられたり、人の本質を見抜く力があったり、審美眼や鑑賞眼があったり、美や芸術を楽しむことができる。

繊細だからこそのプラス面だって実は山程あるのです!

世の中には、誰がどんな気持ちになっているのか、あんまり気付かないという人も結構います(それはそれで鈍感力という素晴らしい才能です。)

繊細さんも鈍感さんもどちらも、
プラス面とマイナス面両方あるものです。
だからどっちが良いとかは一概には言えません。

ただ、人の気持ちを察するのが上手な人が陥りやすい罠があります。

人の気持ちを察することが上手な人は、相手の境界線を踏み越えがちなのかも。

人の気持ちを察するのが上手な人は、
実は知らずしらずの内に
相手との境界線を勝手に踏み越えがちなんですね。

それは、
「察する」=「私が何とかしてあげなきゃ」
という方程式になっていて、

余分な世話で相手をコントロールしてしまいがち、ということです。

「余分な世話で相手をコントロールしている?!そんなつもりはない!」
と最初に反応する人がいれば、それは正しい反応だと私は思います。

コントロールって何かというと、
「相手を自分の思っている通りに動かそうとすること」。

例えばですね、さっき例に出てきた上司の話からすると、

人の気持ちを察するのが上手な人というのは
「上司が機嫌悪い」=「私がご機嫌をとらなきゃ」
と思ってしまうことがあります。

「私がご機嫌をとらなきゃ」と心理の裏には、

「私のせいで機嫌が悪いのかな」「私が昨日仕事をミスしたからかな」
という罪悪感が隠されていたり、

誰かが機嫌が悪かったりイライラしていると、同じように共鳴して怖さを感じ、その怖さをどうにかしたいという気持ちがあったりします。

罪悪感をつい感じるのも、相手の怖れをつい拾ってしまうのも、
繊細な人にはよくあることなのですが、問題はここから。

「私がご機嫌ととらなきゃ」と思うと、
上司の機嫌が直るようにごまをする。必要以上に気遣って話かける。
ピエロになって面白いことをする。

そうやって上司のご機嫌とりをすることがありますが、これは実はコントロールなんですよね。

余分な世話をすることで、
相手を変えようとしています。

これは本当に自覚がない場合がほとんど。
無意識で相手のバウンダリー(境界線)を踏み込んでしまっています。
相手が何とかしなきゃいけない問題を、勝手に背負っている状態です。

一度バウンダリーを踏み越えて、うまくいって上司の機嫌がましになったとしたら、次も、その次も、同じことをします。

するとその内、忖度したり媚を売る自分に疲れてきます。
もしくは上司に会うのが怖くなったり。
上司のことも「あいつにいつも機嫌とりをさせられてる!」って嫌いになることもあるでしょう。

おせっかい(余分な世話)は恋愛でも現れる

余分な世話がコントロールの一つである、
ということを少しだけお解りいただけたでしょうか?

この余分な世話、恋愛や夫婦間の対人関係でもよく出る問題です。

余分な世話を簡単に例えると「おせっかい」なのですが、
例えば彼が何か悩み事を抱えて落ち込んでいるとします。

彼が話してくれれば、相談に乗ったり共感したり応援してあげたり寄り添ったり‥
それはとても素晴らしいことですよね。
愛しているパートナーの支えになりたい!という愛や気持ちは、相手の固まったハートを溶かすこともありますから。

しかし、おせっかいになっているケースは、

「私が何とかしてあげなきゃ」と思って、
彼が話そうとしていないのに、アレコレ聞き出そうとする。

「私が何とかしてあげなきゃ」と感じて、
解決方法を勝手に模索したり、手をかしたりする。

彼がまだ悩みや問題を打ち明けてくれる前に動く。

これらは彼の気分を変えることを頑張ってしまっています。
大人である彼を、まるで子どもの立場に置いているようなものです。

余分や世話は、相手の境界線を踏み越えることにより、
相手が「自分の足で立つ」チャンスを奪う行為でもあるのです。

恋愛でも仕事でも、バウンダリーを意識することは大事。

相手のバウンダリー(境界線)を、
余分な世話によって何度も踏み越えてしまうと、

相手は自分の足で立つことを
忘れがちになってしまうことも。

恋愛ではまるで「母」と「子」の関係性
上司との間ではまるで「お世話する人」と「される人」の関係性

になってしまうことも、よくあります。

この関係性になると、
結局不満が湧き出すのは自分なんですよね。

「なんで私が毎回やらなきゃいけないの!」
「さっさと自立してほしい!」

って思うこともあるでしょう。

例えば、さきほど出した上司のお話で言うと、
機嫌が悪いのは上司自身が何とかしないきゃいけないこと。

他人があーだこーだすることではないのですよ。
機嫌は自分でとるものです。

「自分の機嫌は自分でとる」
これは自分の足で、自分軸で、人生を歩んでいくために大切なことです。

相手が自分の足で人生を歩くためにも、
おせっかいをして何とかしないことが大切です。

人の気持ちも大事だけど、自分に目を向けてあげよう

人の気持ちを察するのが上手な人に繊細な人が多いといいました。

他にも、
小さい頃母親の機嫌を常に伺っていた
親がよく喧嘩をしていたので仲を保つ努力をしていた

怒られることが怖くて良い子を演じていた
親の期待に沿うことをよく考えていた

など、幼い頃に「察する能力」を自然と鍛えなければいけない環境下にあると、人の気持ちを察することに長ける大人になります。

人がどう感じているのか、

察することが上手な人は
自分を置き去りにしがちなんですよね。

自分よりも他人の感情の起伏に敏感だったりします。

それ故、他人の感情も勝手に背負ってしまって
「自分が何とかしてあげなきゃ」って無意識に境界線を踏み越えがち。

すると何故か生きづらさを感じるをけど、
いまいち原因がわからない‥ってことにも繋がります。

人の気持ちを察することが上手な人は、
「自分の心の気持ちを察してあげて理解し共感する」ことが大事。

他人よりも、もっともっと自分の心に目を向けてあげること。

他人よりも、もっともっと自分の心の声を聴いてあげること。

他人にやっていること、自分にやってあげること。

すると自分が「何を感じているのか」「どうしたいのか」も、徐々にわかってくるようになります。

そのお手伝いをカウンセリングで出来れば幸いです。
自分の心に目を向ける時間をつくりましょうね。

いつも応援しています。

 

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